株式会社三石ハイセラム
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耐火物とセラミックスの話

耐火物について MENU

1.セラミックスのイメージ

セラミックスと聞くと、一般の皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。陶磁器、電子部品、研磨剤のようなものが多いのではないでしょうか。セラミックスとは、非常に範囲の広い呼び方で、その名前の由来はサンスクリプト語の‘燃やすこと’に由来していると言われています。これは、古来より現在も、セラミックス製品の製造には、高温熱処理がされることが多いためです。日本でも、‘窯業’という分類で、熱処理がされる産業であったことがわかります。
セラミックスをイメージする際に、

  • 木、プラスチック、ゴムなどの燃えやすい製品ではないこと
  • 鉄などの金属ではないこと
このように考えると、ガラス・セメント・大理石・陶磁器・人工宝石のようなものが思い浮かぶのではないでしょうか。

2.いろいろなセラミックス

セラミックスが使われている製品の例を挙げてみましょう。
私たちの生活の中で使われるものから、一般工業用、特殊品まで幅広いことが分かります。

  • 耐熱耐火材料、発熱体、飛行機宇宙船素材
  • 切削工具、研磨剤、ダイヤモンド工具、レーザーメス
  • 光ファイバー、IC基板、磁性素材、圧電素材、自動車プラグ材、太陽電池、熱料電池
  • 窓ガラス、人工大理石、建築用セメント、赤レンガ
  • 陶磁器、調理器具、包丁研ぎ、セラミック包丁
  • 人工歯、人工骨、化粧品粉末
  • 触媒、ろ過材、浄水装置

3.セラミックスの特徴1

セラミックスは、その原料の化学分類も広く、組み合わせも非常に多いことから、多岐にわたる特徴をもつことができますが、一般的にイメージしやすいのが、鉄やその他の素材と比べて、熱に強く、粘る・伸びるという性質がないのが特徴です。
例えば、焼物の器と金属の器、プラスチックの器があると想像してください。

焼物の器
金属の器
プラスチックの器
この容器を火にかけると、プラスチックはすぐに溶けて伸びてしまいます。金属皿は、しばらくはそのままの形状を保ちますが、そのうち伸びてしまいます。焼物は赤くなりますが、簡単に形がかわりません。
今度はこの容器に衝撃を加えた場合はどうでしょうか、プラスチックや金属の容器は伸びたり変形してしまいますが、焼物の器は割れてしまいます。
これらの容器を100年外に置いておくと、金属は錆び、プラスチックは崩壊してしまいますが、焼物はあまり変化しないでしょう。
このように、様々な素材と比較して、薬剤を与えたり、電気を流したりという比較をしてみると、セラミックスの特徴が色々と見えてきます。
次に様々なセラミックスの特徴を紹介します。

4.セラミックスの特徴2

セラミックスは、様々な特徴を生かして、産業界に大きく貢献しています。
私たちの生活に身近なものから、未来を切り開くために必要な先端技術まで、セラミックスは非常に広い分野で活躍しています。

熱に強い
高温炉の耐火物、調理機器、高温温度計、スペースシャトルのタイルなど
電気的性質
(電気を通さない、電気をコントロール)
碍子、電子基盤、センサー、太陽電池、電池、マグネットなど
化学性質・腐りにくい
原子炉材、化学炉材、吸着材、触媒など
硬い
研磨剤、タービン、ダイヤモンド工具、板ガラスなど
磁器性質
磁石、光ファイバー、ブラウン管など
光学的性質
窓ガラス、鏡、化粧粉末、ガラス器など

5.‘耐火物’というセラミックス

耐火物は、セラミックスの中でも、特に超高温の世界で使用するために作られる製品です。耐火という言葉ですが、私達の生活でみられる炎の火ではなく、現在は主に金属や化学製品を作り出すための「炉」の材料として、超高温を閉じ込める容器の材料となっています。
スペースシャトルの耐火タイルや核融合炉の素材には特殊な耐火物が使われています。
炉の中は、千数百度以上の重たい鉄が溶けて、電気・化学的にも様々な反応が繰り広げられているので、これらに耐える素材として不可欠な素材となっています。
耐火物は、れんがや粘土の見た目をしている為、外国の伝統建築用の日干し煉瓦のようなものに見えますが、前述のような過酷な環境に耐えるため、耐火物は非常に複雑な構成で作られています。