セラミックスと聞くと、一般の皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。陶磁器、電子部品、研磨剤のようなものが多いのではないでしょうか。セラミックスとは、非常に範囲の広い呼び方で、その名前の由来はサンスクリプト語の‘燃やすこと’に由来していると言われています。これは、古来より現在も、セラミックス製品の製造には、高温熱処理がされることが多いためです。日本でも、‘窯業’という分類で、熱処理がされる産業であったことがわかります。
セラミックスをイメージする際に、
セラミックスが使われている製品の例を挙げてみましょう。
私たちの生活の中で使われるものから、一般工業用、特殊品まで幅広いことが分かります。
セラミックスは、その原料の化学分類も広く、組み合わせも非常に多いことから、多岐にわたる特徴をもつことができますが、一般的にイメージしやすいのが、鉄やその他の素材と比べて、熱に強く、粘る・伸びるという性質がないのが特徴です。
例えば、焼物の器と金属の器、プラスチックの器があると想像してください。
セラミックスは、様々な特徴を生かして、産業界に大きく貢献しています。
私たちの生活に身近なものから、未来を切り開くために必要な先端技術まで、セラミックスは非常に広い分野で活躍しています。
耐火物は、セラミックスの中でも、特に超高温の世界で使用するために作られる製品です。耐火という言葉ですが、私達の生活でみられる炎の火ではなく、現在は主に金属や化学製品を作り出すための「炉」の材料として、超高温を閉じ込める容器の材料となっています。
スペースシャトルの耐火タイルや核融合炉の素材には特殊な耐火物が使われています。
炉の中は、千数百度以上の重たい鉄が溶けて、電気・化学的にも様々な反応が繰り広げられているので、これらに耐える素材として不可欠な素材となっています。
耐火物は、れんがや粘土の見た目をしている為、外国の伝統建築用の日干し煉瓦のようなものに見えますが、前述のような過酷な環境に耐えるため、耐火物は非常に複雑な構成で作られています。